地雷・クラスター爆弾問題Q&A

地雷(対人地雷)とは、どんな兵器ですか?
地雷は値段が安く、設置も簡単なので、近年世界各地で多発している内戦や地域紛争において、大量に使用されることが多い兵器です。しかも、戦争が終わった後まで、半永久的に罪のない一般の人々を無差別に死傷させる非人道的兵器であると同時に、その撤去には非常に多くの時間と費用がかかります。
また、地雷と同じような危険をもつものとして、戦争中に投下されたが爆発しなかった、爆弾やロケット弾(不発弾と呼ばれている)があります。


地雷で犠牲となるのはどのような人々ですか?
農業に従事する人や、子供などの被害が多くなっています。軍関係者の犠牲は少なくなってきています。

世界にはどのくらいの地雷が埋められていて、どのくらいの人々が被害を受けているのでしょうか?
埋まっている地雷の正確な数はわかりませんし、各国政府や地雷関係機関、NGOで発表される数字もそれぞれ違います。例えば、国連は1億個以上、アメリカ国務省は6千万?7千万という推計を発表しています。また、ICBLは2000年から地雷の埋設数を発表していません。地雷の脅威は数でははかれないから、としているからです。
2008年に確認された地雷被害者の数は5,197人で、被害は75の国と地域で報告されました。しかし、報告されていない犠牲者も多数にのぼると考えられ、実際には、毎年15,000人から20,000人が新たに地雷または不発弾の被害に遭っていると考えられます。


なぜ世界に大量の地雷が埋められているのですか?どのように発達したのですか?
地雷は第1次世界大戦で対戦車地雷として開発が進みました。その後、第2次世界大戦になると対戦車だけでなく、対人の地雷の開発が進み、大戦中に3億個以上の地雷が使用されたとされています。
ベトナム戦争からさらに対人地雷の使用は進み、使用の容易さと安価であることから対人地雷は主に各国での内戦で多用されるようになりました。そのため、世界中のあらゆる地域で大量の地雷が埋められることになったのです。 


地雷撤去にはどのくらいの費用と時間がかかるのでしょうか?
地雷1個を撤去するためには、300ドルから1000ドルの費用が必要と言われています。限りなく100%に近い地雷撤去を行うためには、現在のところ手作業しか確実な方法がないため、膨大な時間が必要となります。 


地雷撤去が終われば問題は解決するのでしょうか?
地雷撤去後も、地雷によって障害者になった人々や、その家族に対する支援が必要です。地雷撤去が終わった土地につくられた新しい村の共同体づくりや、自立に向けての支援も必要です。
また、地雷撤去が終わった土地を、政府・軍の高官や彼らに賄賂を送った富裕商人が奪ってしまうなどの不正も行われているので、そういったことも防ぐようにしなければなりません。 


地雷の廃絶に向けて、世界的にどのような動きがあるのでしょうか?
JCBLを含む世界各国のNGOが参加している地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)を中心に、国際的な地雷廃絶運動が展開されており、その運動の成果として、1997年には対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)が調印され、その後も条約批准国は増え続けています。
またICBLは、条約批准国が条約の内容をきちんと守っているかどうかを各国のNGOを通して監視し、その情報を公開するモニタリングを継続しています。ICBLは1997年 にノーベル平和賞を受賞し、カンボジアの地雷被害者であるチャンナレットもICBLの国際大使として授賞式に招かれました。



日本は、自衛隊が保有していた約100万個の地雷を廃棄しました。また、地雷撤去に多くの資金・物資を提供しています。しかし、地雷被害者への援助や地雷回避教育に対する支援は少ないので、JCBLは、日本政府がその分野にもっと力を入れていくよう働きかけています。 


クラスター爆弾とはどのような兵器ですか?
クラスター爆弾は、コンテナーに数個から数百個の子爆弾が入った爆弾で、航空機から投下されたりロケットなどで発射され、空中で子爆弾を撒き散らす兵器です。子爆弾が拡散する範囲はサッカー場数面分に及ぶ場合もあります。


クラスター爆弾の問題点はなんですか?
クラスター爆弾は広範囲に子爆弾を撒き散らすため、その地域下にいる人間は無差別に被害にあいます。また、子爆弾の10%?40%が不発弾となり、事実上の地雷となり地上に残ります。調査によると、被害者の98%が一般市民と報告されています。


クラスター爆弾の使用国と被害国はどこですか?
33の国と地域がクラスター爆弾の被害にあっています。クラスター爆弾が最初に使用されたのは、第2次世界大戦で、大量に使用されたのは1970年代のベトナム戦争時です。このとき、アメリカがラオスで大量にクラスター爆弾を使用しました。その後主な使用としては、湾岸戦争(1991)、チェチェン(1994-96)、ユーゴ/コソボ(1999)、アフガニスタン(2001-02)、イラク(2003)、レバノン(2006)、グルジア(2008)が挙げられます。現在、70カ国以上が数十億個の子爆弾を保有していると考えられています。

クラスター爆弾の規制については、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の中で議論されてきましたが、結論に至りませんでした。CCWには、規制に反対するアメリカ、中国、ロシアなどが入っていて、全会一致を原則とするCCWでは、合意することが困難でした。そのため、ノルウェー政府を中心に、クラスター爆弾を禁止する条約を作ることを目指す有志連合が新しい交渉の場を設定しました。この交渉は2007年2月にオスロで始まり、クラスター爆弾の禁止を目指す「オスロ宣言」がオスロ会議で採択されました。その後、会議は、リマ、ウィーン、ウェリントン、ダブリンと続きました。この一連の交渉をオスロプロセスといいます。

オスロ条約とはどのようなものですか?
2008年5月に開かれたダブリン会議は、クラスター爆弾を禁止する条約を採択しました。条約の主な内容は、?基準を満たさないクラスター爆弾を全廃する(過去に使用されたクラスター爆弾の99%が禁止の対象)、?保有しているクラスター爆弾を8年以内に廃棄する、?クラスター爆弾の不発弾を10年以内に除去する、?被害者、家族、コミュニティを包括的に支援する、となっています。


日本の対応はどのようなものですか?
日本政府は、CCWを重視して、オスロプロセスの交渉に消極的でした。しかし、ダブリンでの条約交渉の最終段階で方針転換し、条約への賛同を決め、08年12月にオスロ条約に署名、09年7月に批准しました。日本は14番目の批准国です。
自衛隊は4種類のクラスター爆弾をもっていて、批准後は8年以内にこれらを廃棄することが必要となります。また、犠牲者支援などいっそうの国際協力も進める必要があります。